資本金の払込証明


 日本では、会社を設立する時に先に代表取締役になる予定の人の個人口座に各出資者が自分の出資分を

振り込み、その通帳のコピーを提出するかと思いますが、タイでは、領収書だけでOKなので、実際の支払いがなくても

会社を設立することは可能です。


 会社を設立する際にはいろいろな書類が必要ですが、資本金については、「誰それから○○株分の△△バーツを

受け取った」という領収書を提出します。

受取人は会社登記申請者です。決められたフォームはなく、必要な事項が入っていれば、様式は自由です。

 つまり、会社登記申請者が出資者から各人の出資分を現金で受け取り、それをその人が保管しているという形で

設立します。


 通常は会社登記申請者が各株主から現金で受け取り、それを自分が保管しているということにして(あくまで書類上で

すが)会社を設立し、その後、会社名義の銀行口座を開設し、資本金を振り込む、ということになり、

これまではその振込みには期限はなかったのですが、来年1月5日から、資本金が500万バーツ以上の場合、

会社設立後15日以内に銀行が発行した残高証明(通帳コピー不可)を提出しないといけないことになりました。

これは2014年11月19日付中央会社登記事務局(商務省)の公示によるもので、主な内容は以下のとおりです。

1. 資本金500万バーツ以上の場合、登記日から15日以内に銀行の預金残高証明を提出すること。


2. 増資をし、資本金が500万バーツ以上になる場合、増資登録の際に銀行の預金残高証明を提出すること。

 現金での払込のほか、他の資産での払込の場合についても触れられていますが、これは関係ないでしょう。


 2. は、先に増資分を振り込んでおけばいいだけなので、特に影響はないと思われますが、1. は、大きな影響が出てくることが予想されます。


 新規に会社を立ち上げる場合、これまでは資本金の払込期限がありませんでしたので、まだそれだけの資金は用意できていないが、とりあえず、

払込100%で会社を設立し、ボチボチ資本金を払い込む、ということでもよかったのですが、今後は本当に払込がないといけませんので、日程、

払込額は十分検討しておかないといけません。


 たとえば、資本金が4,000万バーツとします。満額払込済みということで会社を設立すると、登記日から15日以内に4,000万バーツの残高証明を提出しない

といけなくなります。

タイでは登録資本金の25%以上の払込みで会社設立が認められますので、25%(1,000万バーツ)の払込で会社を設立すると、1,000万バーツの

残高証明を提出しないといけなくなります。


 資本金4,000万バーツを予定しているが、すぐさま用意できるわけではない、@とりあえず用意できるのは1,000万バーツだけ、というのであれば、

25%の払込で会社を設立し、設立後、直ちに1,000万バーツを送金し、銀行から残高証明をもらい、それを提出する、

Aとりあえず用意できるのは700万バーツだけ、という場合は、25%以上の払込があること、という会社設立の条件が満たされませんので、

設立は見合わせたほうがよいでしょう。


 これは日程にも影響すると思われます。

これまでは、とりあえずタイに来て会社を設立し、その後すぐに日本に帰り、次回来たときに銀行口座を開設する、というケースが多かったのですが、

今後は設立直後に銀行口座を開設しないと、15日以内という提出期限に間に合いません。

あらかじめ資金を用意しておき、送金準備をしておいて、その上でタイに来て会社を設立し、翌日直ちに銀行口座を開設、開設後、準備しておいた

資金を送金、入金後、残高証明を取り寄せて提出、そういう段取りでないと間に合いませんので、設立から残高証明提出まで連続してタイにいる

必要があります。


 これを回避する方法ですが、先に述べたように、以上は資本金が500万バーツ以上の場合ですから、500万バーツ未満にしておけば、

以上の新規定は適用されません。


 仮に本来の資本金が4,000万バーツとします。これをまともに登記しようとすると、以上のような問題が発生しますので、登記時の資本金は

500万バーツ未満にしておくことです。

そうすると、銀行の残高証明を提出する必要はありませんので、そう焦って資金を用意したり、銀行口座を開設したりする必要もありません。


 たとえば、とりあえず400万バーツで設立し、その後、銀行口座を開設し、資金が調達できたとき、4,000万バーツを送金する、それから銀行から

残高証明を取り寄せて増資登録をする、会社設立と増資と、二度手間になりますが、資金がすぐに用意できない、あるいは日程に余裕がないという場合、

これが1番無難な方法ではないかと思います。

                                      (出典:斉藤裕史)

                                   http://www.saitothai.com/file/topics2.html#

 

小林豊のコメント

その1 資本金の中に土地や機械が含まれている場合、銀行への振り込み金はいくらになるのでしょうか? これが第一の疑問です

その2 タイでは比較的少ない資本金の会社を作り、出資者は出資の割合によってその会社に振り込みするという形をとっています。

最初から巨額の資本金を振り込むと言う習慣は無いのですが、いかがでしょうか?

その3  500万バーツ以上の資本金の会社は面倒なので、斉藤氏の提案どうり、400万バーツの資本金に留めておくことが重要でしょう。

今後の課題として、規則 (2014年11月19日付中央会社登記事務局-商務省)の公示)内容を、調べる必要があります