http://www.lotusbc.co.jp/n1-4-1.htm
ロータスビジネスコンサルティング株式会社

BOIと会計システム(基幹業務システム )


■目次


1-1概要


1-2BOI対応


1-3INPUT VAT (仮払消費税) / OUTPUT VAT (仮受消費税)


1-4WITHHOLDING TAX (源泉徴収税)


1-5TAX INVOICE, CREDIT NOTE, AND DEBIT NOTE


1-6固定資産


1-7TTS/TTBへの対応


2-1システムで求められること


3-1SBOでの対応

■1-1 概要


タイ固有の要件としては、以下の要件への対応が必須となります。


BOI/Non BOI

BOIに登録しているということは、税優遇措置が適用されているということ。

登録によりいろいろ減免措置があるが、手続きや登録後の処理が煩雑らしく、

顧客によっては申請していないところもある。会計はもちろん、ロジも関わって

くるので、これの有無で導入の難しさが大きく異なってくる。

【会計要件】

BOI登録している場合、BOI事業 / Non BOI事業との事業別PLの作成

Input VAT (仮払消費税) / Output VAT (仮受消費税)

Withholding Tax (源泉徴収税)

固定資産


TTS/TTBへの対応

【ロジ要件】


BOI登録をしている場合、厳密な現品管理

BOI登録をしている場合、端材等の廃棄処理

Tax InvoiceとDebit Note, Credit Note


【SAP Business OneにおけるSAP推奨ローカライズ】

以前のSAP推奨ローカライズはオーストラリアとなっているが、注意する必要がある。

というのは、源泉徴収税の機能にオーストラリア固有の端数を自動的に四捨五入してしまう機能が備わってしまっており、それがタイ導入時には

余計な機能となる。

フォーマット検索等で別途回避せざるをえず、それであればシンガポールローカライズで問題ない。

実際、現在の推奨国にはシンガポールも含まれている。

【その他】


特記事項なし。


■1-2BOI対応

■BOIとは


タイ政府は海外からのタイへの投資振興のために海外からの進出企業に対して優遇措置を与える権限を持った機関BOI

(Board of Investment:タイ国投資委員会)を1954年に設立し海外からの投資による産業奨励の活動を行っている。

雇用促進、技術移転、外貨獲得の各能力を有し、資本金額100万バーツ以上、タイ国内に工場を保有しているなど、

BOI(投資奨励委員会)が奨励するに値する規模の場合、BOIの認可が下り各種特典が付与される。


製造業であれば、ほとんどの事業が適合する。BOI企業と認可されると、税制上及び非税制上の様々な便益が付与されるため、

タイに進出した多く日本企業がBOI認可を受けている。


BOI担当者の主な業務としては、以下のようなものがある。

1.輸入機械の免税申請(機械設備)


 1.1. 機械のメインリスト作成


    これには、機械の消耗品、アクセサリー、冶具、検査機器、ツール、金型等を含みます


 1.2. 機械の輸入の都度の免税許可申請/取得


 1.3. メインリストへの機械、アクセサリー等の追加


2.機械を含む資産台帳の確認(BOIの法人税免税対象のリストの作成)(経理)


3.もしBOI対照以外の機械があれば、それらとその他の資産と分けなくてはいけない


4.輸出製品のための、原材料の輸入免税申請(購買)


 4.1. 製品別のフォーミュラを作成


     これには、副産物や廃棄物の数量も含めるべき


 4.2. 原料の輸入の都度の免税許可申請/取得


 4.3. 製品の輸出の都度の原材料の輸入済み数量のカット


 4.4. もし、間接輸出であれば顧客の担当者との連携が必要


5.免税輸入原材料の廃棄物のOBOIへの申請


6.社内で輸出用と国内販売用とあれば、免税原材料の完全管理


7.OBOIへの報告義務の遂行


8.OBOIへの法人税免税の報告(会計士、経理との連携)


9.外国人のビザ、W/Pの申請/取得(総務)等々。

■BOIの基本的な恩典


BOIは投資奨励策として、BOI認可企業に対して、タイ、外資系の企業の区別無く、タイ国内(特に地方)の産業促進のため、

税制上の特典および非税制上の恩典を付与しています。

BOIの恩典は会社ごとではなく事業ごとに与えられるので、企業によっては複数の事業について奨励を受けることが可能で、

事業拡張も条件を満たせば新しくその事業について恩典を受けることが出来ます。

また、事業が行われる地域により恩典の内容は異なります。通常、バンコクから離れれば離れるほど恩典が厚くなります。

【税制上の特典】


最大で8年間の法人所得税の免除


主に製造に関わるBOI認可業種に与えられる特典で、当該事業によって得られた利益に対する法人所得税の免除もしくは減税という特典です。

事業所の立地(3区域)及び工業団地内か工業団地外か(工業団地内の方が優遇)によって所得発生以降3年から8年間の免税もしくは

減税となります。


設備投資用機械の輸入税の免税/減税


BOI認可を受けた業種で使用する輸入する生産機械・設備の輸入税が減免されます。

免税率は立地により異なり、ゾーン3については100%免税、ソーン1と2については税率10%以上のもののみ50%減税されます。


輸出向け製品に使用される原材料の輸入/獲得のサポート(輸入税の免税/減税)


輸入後に加工して輸出する製品の原材料もしくは半製品の輸入税が免税されます。

輸入税免税期間は立地によって異なりますが、BOIに延長申請をすることで期間の延長が可能です。

また輸入税相当分の保証金の支払いまたは銀行証明は不要です。


■1-3INPUT VAT (仮払消費税) / OUTPUT VAT (仮受消費税)


付加価値税(Value Added Tax, VAT)は日本の消費税に相当し、「売上に係るVAT(Output Tax)」から「仕入に係るVAT(Input- Tax)」の

控除を認めて広範な取引を対象として単一税率により税金を徴収するものである。


日本の消費税は仕入税と売上税の清算を年度分一括して帳簿で行っているのに対し、タイではヨーロッパ諸国と同様1件ごとに税額票

(タックスインボイス)を発行し、仕入税と売上税の申告は毎月、翌月の15日までに行い、清算する方式が取られている。

【申告と納税】


原則:毎月末締めで、当月の売上VATと仕入VATの差額を集計し、翌月の15日までに申告書(Por.Por.30)を添えて税額を納付する。


物品の輸入:輸入者が、通関手続完了時に輸入税の支払と同時にVATも税関に納付する。その場合「関税局の発行した領収書」は

Tax Invoiceになる。


サービスの輸入:輸入者が、サービス料を支払った翌月7日まで申告書(Por.Por.36)を用いてVATを自己申告及び納税する。

その場合「歳入局の発行した領収書」はTax Invoiceになる。



■1-4WITHHOLDING TAX (源泉徴収税)


Withholding(源泉徴収)とは、所得税(法人・個人)の徴収制度のひとつで、サービスおよび国内外取引についてサービス利用者が税金を

源泉徴収する制度です。

すなわち、所得の支払者が税の徴収・納税義務を負います。

サービスを利用した側は請求額を満額支払わず、所定の税率分を源泉してからサービス提供者に支払います。

源泉分の代わりに源泉徴収票(Withholding Tax Certificate、/バイハクナティーチャイと読む)を発行し2部をサービス提供者に渡し、

1部を源泉した金額を添えて税務署に提出します。

この源泉徴収された所得税を一般に「源泉徴収税(Withholding tax)」と称しています。

毎月の給与所得のほか、配当、利子、使用料、サービス料、弁護士費用等の支払いの際に、この源泉徴収制度が適用されます。

税率は各サービスによって異なります。

原則として支払月の翌月7日(土日祝日の場合は翌日) までに納税が必要となります。

その際の申告の書式が、個人から源泉徴収したものであればPhorNgorDor 3、法人から源泉徴収したものであればPhorNgorDor 53となります。

また、従業員から源泉徴収したものはPhorNgorDor 1を使用します。


■1-5TAX INVOICE, CREDIT NOTE, AND DEBIT NOTE【税額票(Tax Invoice)】


VAT登録者は物品の販売またはサービスの提供の都度、税金還付請求のための証拠書類として税額票を発行し、

当該物品及びサービスの受け手に渡す。そしてその控えを保管する。

Tax Invoiceは販売にとっては仕入れVATの証憑としても使用される。

Tax Invoiceの裏付けのないVATは税額控除の対象から外れてしまうことになる。

税務処理で使える、Tax Invoiceの条件は以下の通りです。


1) TAX INVOICEという言葉が記載されていること


2) 売り手=TAX INVOICE発行者の事業者名、住所、TAXID=登記番号が記載されていること


3) 買い手の名前・住所・TAXID=登記番号が記載されていること ※2014年から領収書には必須


4) TAX INVOICE番号、冊番号があれば冊番号が記載されていること


5) 商品やサービスの名称、種類、区分、量、その価格が記載されていること


6) 付加価値税の税額が記載されていること


7) 日付が記載されていること。発生主義なのでこの日付が重要


8) 上記記載事項はすべてタイ語、タイ通貨およびタイ数字もしくはアラビア数字によるものとする


※金額については、タイ語もしくは英語の文字にした金額を記載する必要がある。

2014年1月1日以降は、以下の記載事項が追加された。

9) 当該Tax Invoiceの取引先のTax Idの記載も要する


10) Invoice発行者は本社か支店かの区別もはっきりさせる(支店の場合は当局より付与された支店番号も記載)


11) 取引先の記載も上記10と同様となる

Tax Invoiceが上記記載要件を欠いた場合には、インプットVAT(仮払付加価値税)の還付請求ないし控除が出来なくなってしまう。

上記の通り、Tax Invoiceは原則として供給者が発行する義務がある。


しかし、以下の場合は例外となる。


物品の輸入…輸入者が、通関時に、関税局へVATを支払う


 ⇒「関税局の発行した領収書」がTax Invoiceになる。


サービスの輸入…輸入者が、サービス料を支払った翌月に歳入局へVATを支払う


 ⇒「歳入局の発行した領収書」がTax Invoiceになる。

■Debit Note, Credit Note


売上に係る税額徴収後、当該売上に係る税額を修正すべき事態が発生した場合、増額に係る「貸方票(DebitNote)」、減額に係る「貸方票

(Credit Note)で処理する。

発行するクレジットノート/デビットノートには、以下の参照元情報が必要。

1) インボイス番号


2) 日付


3) 参照元インボイスの内容を把握するための内容。当初の数量、単価、金額、商品名等

上記を記載し、さらにクレジットノート/デビットノートの金額を加味して実際の金額を表記しなければならない。


■1-6固定資産


減価償却方法は、定額法が一般的。耐用年数は、経済的耐用年数による。


タイは1年以上使用可能な物品は全て固定資産になるため、少額資産が膨大になる(実務上では1,000B〜2,000B以上のものを固定資産としている)。

一括して減価償却を行いたいなど、システムでの管理が必要と思われるため、SBOであれば固定資産アドオンの導入を求められることが推測される。


期中取得資産及び期中除却資産の減価償却費については、使用期間を日割り計算する必要がある。


タイの税法では、日本のように法定残存価格、税法上の償却限度額の制度はないので、100%償却可能であるが、通常は1バーツの備忘価格を

残すことになる。

残存価格は税法で規定がなく、会計基準に従うことになる。また、償却資産の価格については、小額のものも5年間で償却しなければならない。



■1-7TTS/TTBへの対応


タイでは、外貨販売取引と外貨購買取引で使用される為替レートが異なる。販売時にはTTB、購買時にはTTSが使用される。

また、入出金時にはタイ中央銀行発表(BOT)の為替レートを使用する。


■2-1システムで求められること


1) BOI対応


(1) 法人税減免関連


BOI事業 / Non BOI事業との事業別PLの作成


BOIによる優遇措置の1つに法人税減免がある。法人税は当然利益に課税されるが、利益は複数事業による利益でもありうる。

BOIは事業別に認可されるため、BOI認可となっている事業もあれば、そうでない事業もある。

結果として、事業別の利益を把握する必要があり、そのBOI認可の事業の利益額が法人税減免の対象金額となる。

したがって、事業別PLが必須となる。

(2) 設備投資用機械の輸入税の免税/減税関連


BOI認可された機械によって製造される品目の管理


BOI認可の際に使用機械のリストを提出します。これに記載した機械についてはBOI認可対象業務以外には使用できません。


この認可を受けた機械によって生産された品目(BOIアイテム)は、通常の品目(Non BOI)とシステム的にも物理的にも、分けて管理する必要が

あります。

これはBOI品目によって利益が生まれ、それが法人税の減免となるからです。

※BOIアイテムとは、原材料であれば3)が適用された原材料、製品であれば2)の機械で製造された製品を指します。

(3) 輸出向け製品に使用される原材料の輸入/獲得のサポート(輸入税の免税/減税)


BOI認可された原材料と製品の管理


BOIで輸入免税となった原材料(BOIアイテム)については、在庫管理を徹底し、BOI認可対象業務以外で使用しないようにすることが必要です。

よく問題になるのが、以下の2つの場合です。


 a) 製品に国内販売と輸出販売がある場合


 b) 副産物と不良品の処理(いわゆる廃棄処理)

a) 製品に国内販売と輸出販売がある場合


製品に国内販売と輸出販売があり、その製品にBOIにより輸入免税となった原材料が使用されている場合、製品の国内販売は許可されず、

輸出販売のみ許可されます。


このような製品に対しては、同じ原材料でもBOIとNon BOIでインボイスを分割して輸入しておき、合わせて製品も国内用と輸出用で保管場所を

分けておくと管理しやすくなります。


注意すべきなのは、BOIであってもNon BOIであっても、同一の原材料ということです。

つまり、現品は同じであるため、物理的に保管場所を厳しく管理していないと、BOIの原材料をNon BOIの製品製造に使用してしまうというケースが

発生してしまいます。

 したがって、原材料の在庫管理を徹底することが必要となってきます。

具体的には、現品の保管場所の管理はもちろん、システム上でも同一原材料をBOIとNon BOIで品目マスタや倉庫マスタを分けて管理することが

望ましいです。

となると、品目マスタにはBOI区分を持つ必要が出てきます。

 また、品目単位や品目が属するグループ単位で収益を計上する勘定科目が決まるシステムであれば、品目グループをBOI/Non BOIで分けて

管理することになります。

合わせて、収益勘定をBOIとNon BOIで分けておく必要が出てきます。

なお、BOIを適用している製品の販売(=輸出販売)には、インボイスにBOIであることを記載する必要があります。


b) 副産物と不良品の処理(いわゆる廃棄処理)


BOI申請して免税になった原材料の、端材などの廃棄が煩雑になる可能性あり。

 というのは、BOI申請した以上、関税還付を受けるために輸入の日付から1年以内に、製造、混合、組み立てまたは梱包を経て輸出

されなければならない。

 したがって、単純に廃棄するわけにはいかず、廃棄は廃棄で申請しなければならないと思われる。

となると、申請のタイミングと、実際のタイミングで時間的にズレがある可能性がある。


その場合、申請時の簿価と、実際に廃棄処理をする(損失を計上する)価格は同じでなければならないはず。

この時、在庫評価方法が移動平均であれば、価格が一致する可能性はほとんどない。

したがって、簿価が移動平均によって変更しないように、廃棄予定となったアイテムはその廃棄処理について検討しておく必要がある。


 以下は、同様の事例があった台湾の場合。


廃棄対象となった数量分のアイテムコードを廃棄用の別コードに切り替える。同じコードで末桁が違うなど、わかりやすい廃棄用アイテムマスタを

作成する。


旧アイテムマスタを使用して廃棄対象となった数量分を出庫する。


新アイテムマスタを使用して出庫した数量分を廃棄倉庫へ入庫する。その際、ダミー勘定で計上する。

使う金額は、出庫時に作成された仕訳伝票からコピーする。


廃棄が承認されたら、廃棄勘定を使用して廃棄倉庫から出庫する。

2) Input VAT (仮払消費税) / Output VAT (仮受消費税)


課税7%、ゼロ税率、非課税となるが、特に難しいことはないと思われる。


申告にはInput VATの合計とOutputの合計が必要なだけでなく、明細も必要。

そのため、Input VATレポートとOutput VATレポートの出力は必須。申告用紙(PP30)はタイ語になるため、データだけシステムから出力し

タイ語はエクセルで入力してもらうことでも対応可能と思われる。


※もしくは、PP30のみが申告としては必要で、それはタイ語である必要があるが、明細は付帯資料として必要(=タイ語でなくていい)

なだけかもしれない。


申告書の印刷は今まで求められたことはない。


仮受と仮払の相殺は一般仕訳で行っている。

3) Withholding Tax (源泉徴収税)


各サービスによって税率が決まっているが、特に難しいことはないと思われる。税率別に科目を分けてもいいし、仕入先に対してどの源泉徴収税を

使うか、またどれをデフォルトにするか、あるいは仕入先に源泉徴収税の設定がしてあっても、取引単位で選択をすることができるといったことが

できればよい。


購買伝票の入力時に源泉徴収税の入力が必須。ただしこの時点では源泉徴収税の仕訳は計上されない。

源泉徴収税が関わる取引の債務の支払時には、源泉徴収税の仕訳が生成されることが必須。

VAT課税取引の場合であっても源泉徴収税は仕入の正味金額にかかる。


2種類の源泉徴収税レポートは必須(PND53の集計表と源泉徴収税票)。PND53の鑑について印刷を求められたことはない。


4) 固定資産


少額固定資産が多くなることから、固定資産モジュールの導入を求められることが想定される。

基本的には通常の固定資産システムでほとんどをカバーできると思うが、期中取得資産及び期中除却資産の減価償却費の日割り計算については

日本では一般的でないので導入するシステムで実現可能か確認が必要。

5) TTS/TTBへの対応


タイでは、外貨販売取引と外貨購買取引で使用される為替レートが異なる。販売時にはTTB、購買時にはTTSが使用される。

また、入出金時にはタイ中央銀行発表の為替レートを使用する。


極論を言ってしまえば、この対応は入力補助でしかないので、いかに工夫するかの問題。


通貨を2つに分割することはおすすめしない。

グローバル展開している場合、BI等でタイ拠点だけ通貨が分割していることになり分析がしにくくなるため。

 しかしこれまでの事例の場合だと、現地会計スタッフの思考回路は2つの通貨を使い分けるようになっていることが多く、説得に困難を伴う場合が

多い。


Bank of Thailand


Operation TTB TTS Remark


Daily Record Account Payable 〇 Actual Rate


Record Account Receivable 〇 Actual Rate


Received money 〇 Actual Rate on the received money date


Payment money 〇 Actual Rate on the


paid money date


End of Month Evaluated Account Payable Balane 〇 Rate of end of year


Evaluated Account Receivable Balance 〇 Rate of end of year


Evaluated Bank Account Balance 〇 Asset


■3-1SBOでの対応


1) BOI対応


主な対応方法としては、「システムで求められる対応」に記載したとおり。

品目マスタ、品目グループ、勘定科目マスタなどをBOIとNON BOIで分けなければならない。

【過去事例】


現品の管理上、BOI対象とBOI対象外は分かる必要があり、倉庫、アイテムコード、ともに分けていた。となると、おおかた「同じ材料でもBOI対象と

BOI対象外の両方がある」ので「BOIで輸入した原材料を使用した製品を、NON BOI取引として販売する」場合に問題が出る可能性がある。

2) Input VAT (仮払消費税) / Output VAT (仮受消費税)


Input VAT / Output VATの計上そのものは標準機能で対応可能。


レポートはタイ語で申告する必要があるため、該当データだけを抽出するクエリを作成。

3) 源泉徴収税


源泉徴収税の計上そのものは標準機能で対応可能。


レポートはタイ語で申告する必要があるため、該当データだけを抽出するクエリを作成。


タイ語の源泉徴収税票については、クリスタルレポートで作成。

4) Tax Invoice, Credit Note, and Debit Note


最低限求められる項目は標準的な項目であるため特に問題なし。

クリスタルレポートで作成し、タイ語については英語で項目の一覧をユーザーに渡しタイ語にしてもらった。

Credit NoteとDebit Noteの詳細は「Operation_Manual(Price_Reduction_Increase)」資料参照。

5) 固定資産


少額資産が膨大になるため、固定資産アドオンの導入を求められることが推測される。


期中取得資産及び期中除却資産の減価償却費についても、固定資産アドオンで日割計算可能。

タイで固定資産アドオンを使っている事例はあるため、固定資産アドオンは適用可能。


ただし定額法のみだと認識しておいた方がいい。定率法は未検証。


固定資産アドオンでは以下のような作業が発生する。

(1) お客様との詳細打合せ


  説明資料作成含む。ポイントは保有資産の分類、会計法・税制・IFRSの有無など。


(2) テスト環境におけるマスタ・パラメータ設定


(3) テスト環境におけるマスタデータ移行


  (※顧客によるマスタデータ作成が前提)


(4) 各機能の結果検証


  (移行後残高、取得、減価償却、除却、廃棄が対象。減損や臨時償却・特別償却は除く)


(5) 本番環境におけるマスタ・パラメータ設定


(6) 本番環境におけるマスタデータ移行


  (※顧客によるマスタデータ作成が前提)


(7) 各機能の結果検証


  (移行後残高、取得、減価償却、除却、廃棄が対象。減損や臨時償却・特別償却は除く)


(8) 本番データ投入用操作マニュアル作成


(9) 操作説明

ポイントは移行と結果検証。特に減価償却を1年は回す必要があり、数字の一致をさせるのが時間がかかる。

なお、手入力での移行はできない可能性あり。


また、定額法だけであれば比較的工数は少なくなる。

固定資産の移行の難易度は、概ね以下の要素で左右される。

@保有固定資産のパターン数


建物、車両、設備機器 等の資産パターン(※資産の実数ではない)


これにより、SBOでは「資産クラス」(建物用、車両用、設備機器用 等 の分類)と 「償却タイプ」(定率法、定額法 等)が決定される。

Aマルチ評価レベルの有無


固定資産の簿価評価は単一ではない。会計基準・税法基準・IFRS基準 等、複数の評価レベルを適用する可能性がある。


SBOでは「償却領域」の定義が該当する。

固定資産のパターンが少ない、定額法のみ、償却領域が単一 等の条件であれば、パラメータ設定やテストが減るため、難易度が下がる。

6) TTBとTTS


SBOでは為替レート定義に一つのレートしか設定できないため、現状考えられている対応方法は以下の3通り。


TTSとTTB、どちらか一種類のみ登録する例えば、購買のTTBレートを通常の為替レートとして設定し、受注、売掛請求書を作成時はTTSレートを

マニュアルで入力する運用にする。


1通貨に対して販売用と購買用の通貨を作り、それぞれにレートを設定する。


 例えば、販売用にJPSを作成しTTBレートを設定し、購買用にJPBを作成しTTSレートを設定する。通貨が1つだけだと毎回伝票にレートを

手入力する必要があるが、通貨を例えばUSS, USBと分けることによって得意先であれば、USBを得意先通貨に設定しておけば、毎回伝票上で

レートを手入力する手間が省ける。

【デメリット】


同じ通貨なのに2つに分かれることがなんとなく気持ち悪い。運用は、できなくはないか。

ほか、Dr.Sumや諸処のレポートで影響はないと言い切れない。各拠点の数字を横並びで見せるレポートがある場合にはどう対応するかも不明。

※ある顧客の例


横並びで出すレポートでは各拠点のローカル通貨をベースに日本側が管理する為替レートをかけて日本円で表示させている。

そのため、ここは問題ない。また、販売と購買の両方が関連するレポートは存在しないので、販売と購買で通貨を分けてもそこは影響しない。


連携のところでUSS, USBをUSDに読み替えるような対処も考えられる。

ほか、影響があるとすれば、Dr.Sumの選択基準では、各国共通の選択基準になるため、タイだけのためにUSB, USSといった通貨が表示されて

しまう、ということがある。


ダミー通貨を作り、フォーマット検索で対応


通貨を分けることによりSBO標準機能で対応可能。例えばJPYであれば、JPYとJPBを作成する。

JPYにはTTSレート、JPBにはTTBレートを入力する。このJPBはダミー通貨で、レートの入力のみに使用。

取引先マスタでは得意先であっても仕入先であってもJPYのみを使用する。

販売時には取引先に紐づくJPYのレートが表示されるが、フォーマット検索を作成してJPBのレートに更新する。

購買時にはJPYのレートがTTSのレートのため為替レートの操作は不要。入出金では都度為替レートを入力する。

【デメリット】


1) フォーマット検索は、半自動的となるため虫メガネのクリックをし忘れる可能性がある。


本来であれば販売伝票画面を開いて取引先を選択したタイミングでJPBの為替レートを取得できればいいが、デフォルトでは得意先に紐づいている

JPYのレートが初期表示される。

恐らくフォーマット検索のトリガーで取引先コードを指定すればいいはずだが、レートのため転記日付を指定せざるをえない。

そのため、得意先選択後は必ず虫メガネボタンを押していったん更新してもらう必要がある。これが半自動的、と表現した理由。

2) 仕訳伝票画面で仮にUSDの取引先を選択した際、外貨はUSDのレートで計算される。


ただし、これに対しては外貨の自動計算のフラグを外しておけばいいと思われる。もっとも、手計算しなければならなくなるが。。。


※ちなみに、おそらくSBOのバグだが、フラグを外していても画面を開いて最初に入力した時だけ外貨が計算されてしまう。

いったん金額を消して再入力すれば計算されない。

3) 為替再評価を行う際に、SBOの標準機能の「為替評価差異」が使えなくなる。


仕訳伝票で行う運用してもらわないといけないため、顧客と相談が必要。


主なデメリットとしては1)だけとは思われるが、運用で気をつけてもらうしかない。

Transaction Notificationでチェック機能を作れば回避できなくはないのかもしれないが、逆に自由が効かなくなる可能性もある。

 (例えば、得意先通貨がJPYの場合には売掛請求書のレートは必ずレート設定画面のJPBと同じでないとダメ、など)2)も説得が必要なため

厄介かもしれない。

とある顧客では確かに通貨を分けて運用している。ただ、外貨がかなり少ない。銀行勘定(複数通貨)の内訳も見ても、THBが多い。

ちなみにオーストラリアローカライズのせいか、GLで集計項目が存在していない。

つまり合計が表示されていない。合計が存在しないので、複数通貨で合計が見られなくなる、という問題そのものが発生していない。

要は、あまり参考にならない・・・。

まとめると、フォーマット検索でも対応可能だが、半自動的になることは避けられない。

そのデメリットを考慮してまで通貨を分けるのが良いか、あるいはそのデメリットを受け入れてまで通貨を分けるデメリットをカバーするか。