物書き入門ーその3 (最終回)
第三章 物書き放談。
1 プロは下書きしない
昔、音楽演奏者が楽譜を見て、一回打ち合わせの音合わせをした後、本番演奏したのを聴いて、驚いたことがあります。
これを「初見演奏」と云っていました。すごいなー。
プロとはこのようなことか?と感じました。
物書きの世界でも、プロは下書きしません。(少しオーバー?)、少し考えて書き始めるといっきに書き始め、終わらせます。
これは練習を何度も繰り返すとできるようになります。
すごいなーと思われても本人にとっては普通のことと思っています。
決して自分は「すごいだろー」なんて云いません。もし云ったとしたら自慢でなく冗談ですので・・・。
2 物書き上達方法
すでに、上達の近道は、沢山文章を書くことと述べましたが、さらに重要なことは良い先生に従事することです。
師と仰ぐ人がいると、いないでは大違いです。小生も若いころ起案文書を書いて、大幅に修正されたのを覚えています。
師と仰ぐ人に巡り合えたら、それでもう物書きとして一人前になること間違いありません。
ただし、一人前になることとプロとは格段の差ですヨ。
3 物書きは選ばれた人
誰でも物書きにはなれません。書くことができる人は知識人、文化人として世の中で崇められます。
そういう意味では選ばれた人、つまりエリートなのです。
エリートですからみんなから尊敬も受けます。
資本が不要で、少しの才能と多くの努力、これによってエリートになれるのです。
(注;この場合のエリートとは、書くという特技を持ち、他の人より有利な立場に立つ人)
4 役所の文章
役所の文章は難解です。易しく表現してはいけない世界です。
わざと難しく書き普通の人を寄せ付けない方針なのです。
これは、自ら持っている知識を、わざと他人に知らせず、隠す働きもしています。
世界が違うので、どうこう言っても始まりません。言語明快、意味曖昧、の世界なのです。
物書きでも役所は役所のスタイルがあり、これはこれで否定できません。
役所の文章の代表は法律文ですが、とにかく長文で難解です。
簡単明瞭に書いてはいけないことになっています。
別世界、別世界・・・。
5 物書きは旅が大好き
旅の嫌いな物書きはいません。
旅は知らないところへ行って、新しい風景、景色などを自分の目で確かめることによって、新しい情報、思考がインプットされ、
それが糧となって新しい創造力が見出されます。
その創造力をいかに書いて目に見える形にするか、という才能が要求されるのです。
自宅に引きこもって、小説を書くという人はまずありえないことです。
かつ、一人旅が大好きで、少し我がままかも?
6 ペンは剣より強し
慶応大学のロゴは今でもペン先の形です。
これは、剣よりペンのほうが強いという思想の現れです。
徳川幕府から明治政府に変わった時、従来の武力から、言論の重要性を訴えたシンボルなのです。
元首相小泉純一郎氏の叔父に当たる小泉信三氏が「ペンは剣より強し」という本の中で書いています。
終わりに。
インターネット上で文章を書くための参考になるホームページを紹介します。
○ 「文章を書く心がけ」 結城 浩
http://www.hyuki.com/writing/writing.html
○ 作文の書き方アドバイス 森竹高裕
http://homepage1.nifty.com/moritake/kokugo/sakubun-point.htm