テーマ: 今後、日本はどこへ向かうのか?


日本企業の海外進出が進むと、産業の空洞化が進行し、日本全体が沈没してしまうのではないか? これらの杞憂に対して、以下考えを書いてみました。

1. 現状の海外への企業進出について


 3年前の東日本大震災が発生して以来、日本企業の海外進出が加速化してきました。理由は大きく2つ。


 ひとつは、電力が不足しているので、新たな工場設立は原則認めないという暗黙の了解が広がってきたこと。

もうひとつは、民主党政権下で、成長戦略を打ち出すことができず、そのためもあって、国民に失望感を与えてしまったこと。


 それらを教訓にしたアベノミックスは、成長戦略として海外投資政策を打ち出し、これに基ずき中小企業の海外進出政策が進められています。


 この方針は、今後とも変わらないでしょう。

2. 資本の論理


 資本は、より利益を求めて、利益の出るところ、国、会社へ向かって移動するものです。利益が出れば、さらに大きな利益を求めて、再投資をして、拡大していくという無限の利益追及を行っています。

資本が集まるところ、国、会社は同時に人、物、情報も集まり、繁栄します。以上の資本の論理は、別に歴史的に見てみたい。


3. 日本の産業の変遷


 日本は、原材料を海外から求め、技術を加え輸出する、いわゆる加工貿易国として発展してきました。戦後の軽工業から重工業、そして三次産業と変遷、発展してきました。


 この過程で、生産コストが上昇し、採算が合わなくなると、次々にコストの安い海外へシフトしてきました。

かつては、韓国製、台湾製から始まり、現在では中国製と次々にコストの安い国へシフトしてきています。


このことは、先に述べた資本の論理に基づき、行われており、いつでも、どこでも行われます。

4. 空洞化の必然性


 従来存在していた企業が、他の国へ移動し、もともとあった所(地域、国)が無になってしまうことを空洞化といいます。


どんなに、利益を出している企業でも、空洞化は避けられません。


かつて、デトロイトは、自動車産業の町として繁栄しましたが、現在ではもう昔話になっています。


 自動車産業自体、消滅せず、他へ移って繁栄しています。産業の空洞化は、必然です。


何もしないことは、すなわちイス取りゲームのごとく、少しずつ消滅していきます。よって、空洞化に向けたサバイバルな闘いが要求されます。

5. 企業の生き残り戦略としての海外進出


 企業は、生き残るため、より安いコストを求めて、生産場所を変えます。


このことは、海外に限らず、国内でも行われてきたことであり、たまたま国境を越えたということです。この国境を越えるということは、島国の日本にとっては大きな壁なのです。

6. 海外進出の宿命


 日本国内で利益が出なくなった企業は、自滅するか海外に出て活路を見出すか、の二者択一となります。よって、海外に出ず、自滅するか、海外進出か、どちらにしても苦渋の決断が求められます

7. 進出した企業の行方


 企業の中には、進出したが失敗例もあります。成功した企業は、現地でどうなるのでしょう。中には、親会社以上に成長し、親会社に仕送りを行うという優秀な子会社もあります。


 理想としては、資本、技術、そして人的交流で発展することです。中には、現地の企業となり、日本との関係が薄れている企業もあります。これは誰も予測のつかない企業活動の運命です。


 かつて、日本の企業が海外進出し、成功例、失敗例としてあげれば限りなくあります。これらの例があったとしても進出することを目的として、努力することです。

仮に企業が海外進出して、空洞化となっても、企業は生き延びることが使命です。

8. 進出国の選択


 進出国への選択は、成功、失敗の大きな要因です。一般的に伝えることは、多くの企業が進出している国ほど容易と思ったほうが良いでしょう。


 これは、過去の動向を見ればすぐわかることで、大企業は別として、中小企業は、成功例の多い国を選択すべきでしょう。つまり産業集積のある国を勧めます。

9. 繁栄する国の要因


 国が栄えるためには、不断の努力が必要です。ローマ帝国の歴史を見れば、その教訓がたくさんあります。


 その国に住む人、企業は、それぞれが判断して、住む国を決めます。もちろん、個人は勝手に他国に住めません。

しかし、企業は、本社をどの国に置くか、自由に決めることが可能です。


 例えば、法人所得税がゼロの国があれば、利益の多い企業はそこに本社を置き税を逃れようとします。

つまり、?栄する国は、そこに住みたい個人、法人希望した結果です。国としてこの施策を怠ると、個人、法人が他国に行き、繁栄が止まってしまいます。


国の繁栄と企業は連動しています。魅力のある国ならば企業は逃げて行きません。

企業が海外進出して、空洞化となっても、資本、人、技術がつながっているかぎりその関係はなくなりません。
 
10. その他


 松島大輔氏の「現地化のウソ」を必読のこと。


 注:彼の考えは、企業の現地化により、その企業が繁栄するという。

                小林 豊 2014-5-13