「タイ国中小企業開発銀行法」

タイ国中小企業開発銀行法
 (前文省略)

 第一条
 本法令を「仏歴二五四五年タイ国中小企業開発銀行法令(プララーチャバンヤット・タナカーン・パタ
ナー・ウィサーハキット・カナード・クラーン・レ・カナード・ヨーム・ヘン・プラテートタイ)」と呼ぶ。
 第二条
 本法令は官報告示日の翌日から施行する。[官報告示日は二〇〇二年一一月一九日]
 第三条
 仏歴二五三四年小規模産業金融公社法令を廃止する。
 第四条
 本法令において、
 「銀行(タナカーン)」とは、タイ国中小企業開発銀行を意味する。
 「中小企業(ウィサーハキット・カナード・クラーン・レ・カナード・ヨーム)」とは、理事会が定めた数量もしくはその他の条件に基づく雇用数、恒久資産額、または払込済み登録資本を有する商品製造事業、サービス事業、卸売事業、小売事業、もしくはその他の事業を意味する。
 「ファンド金(グン・ゴーントゥン)」とは、
 (一)払込済み資本金
 (二)銀行が受け取った株式払込剰余金分
 (三)銀行の株式を購入するための権利書発行により銀行が得た金銭
 (四)純益から配分した準備金
 (五)配分後の剰余純益
 (六)資産評価による準備金
 (七)五年超の期間の劣後債発行により銀行が得た金銭
 「金融証券(トラーサーン・ターン・ガーングン)」とは、手形、社債、公債、及び理事会が定めたその他の証券を意味する。
 「会社(ボリサット)」とは、株式会社及び公開株式会社を意味する。
 「理事会(カナカマカーン)」とは、タイ国中小企業開発銀行理事会を意味する。
 「理事(カマカーン)」とは、タイ国中小企業開発銀行理事を意味する。
 「総裁(プージャッカーン)」とは、タイ国中小企業開発銀行総裁を意味する。
 「大臣(ラッタモントリー)」とは、本法令の主務大臣を意味する。

第五条
 財務大臣及び産業大臣を本法令の主務大臣とし、それぞれの権限義務に係るところにおいて、本法令に基く省令及び布告制定権限を付与する。
 省令及び布告は官報で告示した時に施行することができる。
 第一章
 設立
 第六条
 「タイ国中小企業開発銀行」と呼ぶ銀行を設置する。
 銀行は法人とする。
 第七条
 銀行は本店をバンコク都もしくはその近隣県に置き、支店もしくは代表事務所を王国の内外に設置することができる。ただし王国外における支店もしくは代表事務所の設置に当たっては事前に大臣の許可を得なければならない。
 第八条
 銀行の株式額面総額を一〇〇億バーツとし、一株額面一〇〇バーツで一億株を発行する。銀行は株式を財務省、金融機関もしくは他の者に販売する。このとき銀行の付属定款(コー・バンカップ)で定められたところに従う。
 第九条
 銀行が株式価額もしくは額面価額の変更を必要とする場合は、株主の決議によってこれをなすことができる。
 第一〇条
 株主の責任は自己の保持株式価額だけに制限される。

 第二章
 目的
 第一一条
 銀行は融資、保証、出資、助言、提案、もしくは本法令の規定に基づくその他の必要なサービスを提供することによって、中小企業の設立、事業遂行、拡張もしくは改革を開発、振興、助力、及び支援する事業を営む目的を有する。

第一二条
 銀行は第一一条に基づく目的の範囲内において事業を遂行する権限を有する。その権限には以下も含む。
 (一)有担保・無担保を問わず中小企業に資金を融資する、もしくは共同融資する
 (二)中小企業に出資する
 (三)金融、テクニック、学術、生産開発、マーケティング、経営、管理面で中小企業に助言し、中小企業が金融、経営、管理またはテクニック面に係るサービスを受けられるよう支援する
 (四)銀行の業務遂行で使用するための資金を調達する
 (五)所有権もしくは占有権を保持する、あるいは物権保持、購入、調達、売却、販売、賃借、賃貸、割賦購入、割賦供与、貸借、貸与、抵当設定または抵当引受、質入または質受、債務弁済における担保としての使用または債務弁済における担保引受、交換、譲渡、譲受、代理、仲介、あるいは財産もしくは請求権、委任者のいる財産に係る行為
 (六)銀行の事業遂行に必要なだけの他の金融機関への預金口座維持
 (七)債務保証
 (八)金融証券の発行
 (九)手形引受、手形保証、手形指図
 (一〇)金融証券の購入、割引購入または割引購入取次、販売、割引販売または割引販売取次、あるいはその証券における受益者の請求権の譲受
 (一一)資金融資、購入、割引購入、割引購入取次、保証、その他のサービスによる利息、割引料、
手数料及びその他サービス料の請求
 (一二)外国為替事業
 (一三)大臣から承認を得ての、銀行の事業に直接利益となる事業会社の設立
 (一四)銀行が定め告示した金利レートによる請求時払い、もしくは期限払いの預金引受。ただし一般民衆からの預金引受は内閣から事前に承認を受けなければならない
 (一五)政府機関もしくは国営企業が銀行にいずれかの者からの支払い、請求、徴収を委任したところの支払い、請求、徴収のための政府機関もしくは国営企業の代理人業務、あるいは銀行の定款に基づいた当該行為のための他者の代理人業務
 (一六)理事会が適当と判断したところに基づく銀行の出資残高の収入への組み込み
 (一七)銀行の従業員、雇員、もしくはその家族へのしかるべき福利厚生
 (一八)商業銀行もしくは金融機関が中小企業に提供する慣習的なその他の形を取った信用供与または金融サービス
 (一九)銀行の目的成就に向けたその他の業務
 第一三条
 銀行が以下の行為をなすことを禁じる。

(一)銀行の理事、経営役員もしくは総裁がパートナー、または取締役、株主になっている事業、あるいは直接的、間接的に利害関係を有する事業への投資
 (二)以下の者、パートナーシップもしくは会社への信用供与もしくは保証、あるいは以下の者、パートナーシップ、会社が振出人または発行者となっている手形の保証、引受もしくは指図
 (a)理事、経営役員もしくは総裁
 (b)理事、経営役員もしくは総裁の配偶者
 (c)理事、経営役員もしくは総裁の未成年の子
 (d)(a)もしくは(b)または(c)に基づく者がパートナーになっている普通パートナーシップ
 (e)(a)もしくは(b)または(c)に基づく者が無限責任パートナー、または全資本の合計三〇%超の責
任を有する有限責任パートナーになっている有限パートナーシップ
 (f)(a)もしくは(b)または(c)に基づく者、または(d),(e)に基づくパートナーシップが払込済み全株
式数の合計三〇%超の株式を保有する会社
 (g)(a)もしくは(b)または(c)に基づく者、または(d),(e)に基づくパートナーシップ、あるいは(f)に
基づく会社が払込済み全株式数の合計三〇%超を保有する会社
 (三)銀行の理事、経営役員、総裁、従業員、雇員に対し仲介料、もしくは銀行の事業上の行為あるいは営業による報酬として、金銭を支払う、または財産を供与する。ただし会議手当、大臣が定めたところに基づく報酬、大臣が定めた年度褒賞、あるいは銀行の定款に基づく月給、その他の金銭を除く
 (四)以下を除く不動産の購入もしくは取得
 (a)事業地として使用する目的から、あるいは銀行の総裁、従業員及び雇員が銀行の事業のために
利用する目的からの購入、取得
 (b)債務弁済、担保権実行による取得、または銀行への抵当、担保である不動産の競売による購入、取得
 (b)に基づき銀行のものとなった不動産は銀行が取得した日から五年以内に、あるいは大臣から許可を得たところに基づくそれ以上の期間内に売却しなければならない。ここに大臣が(a)に基づく事業地として許可した場合を除く
 前段に基づく不動産の売却は競売方法により、あるいは理事会が適当と判断したそれ以上に有利な別の方法によりこれをなす

 第三章
 理事会及びその運営
 第一四条
 一人の理事長、及び株主総会で選出された九人以下の理事、及び総裁を地位に基づく理事とする
「タイ国中小企業開発銀行理事会」と呼ぶ一理事会を置く。
 理事会は総裁、副総裁、もしくは総裁捕を理事会の書記に任命する。

第一五条
 以下のいずれかの様態を有する者は理事長または理事になることを禁じる。
 (一)銀行の従業員または雇員である。ただし総裁は除く
 (二)破産者である、または破産者だったことがある
 (三)最終判決で禁固刑を受けたことがある。ただし過失罪、または軽犯罪であるときはその限りではない
 (四)営業許可書を取り消された銀行もしくは金融機関で、許可書取消の事由となった行為をなした、
または行為に関係した取締役、頭取、副頭取、頭取捕だったことがある
 (五)政治職公務員である、政党の役員または政党に地位を有する者である
 (六)無能力者または準無能力者である
 第一六条
 理事の任期は一期三年とする。
 すでに任命された理事の任期がまだ残っている間に新たに理事が選出された場合、新たに選出された理事の任期は旧理事の残り任期と同じとする。
 第一段に掲げた任期が満了した後、新たな理事の選出がないときは、任期切れで退任した理事が新たな理事の選出があるまで継続してその任に留まる。
 任期満了で退任した理事は再任することができるが、連続二期までとする。
 第一七条
 第一六条に基づく任期による退任のほかに、理事は以下の時に退任する。
 (一)死亡した
 (二)辞任した
 (三)第一五条に基づく禁止様態を有する者になった
 (四)株主総会で総会に参加した全株主の株式数の過半数をもって解任を決議した
 (五)二〇条への違反行為をなした
 第一八条
 任期満了以外の事由で理事に空席が生じた場合、理事会は第一五条に基づく禁止様態にない者を理事会会議で代わりの理事に選出する。ただし理事の残り任期が六〇日未満であるときはその限りではない。
 第一段に基づく理事会の決議は残有理事数の四分の三以上の票数によってなさなければならない。
 第一段に基づき代わりの理事になった者の任期は前任者の残り任期と同じとする。
 第一九条
 理事会の会議は全理事の半数以上の出席をもって成立する。理事長が会議を欠席した、または任務を遂行できないときは、会議に出席した理事が一人の理事を互選し、会議の議長とする。
 会議の決定は多数決をもってする。理事一人は一票を有し、票数が同数の場合は議長が決定票を投じる。

(注:JETROバンコクより引用)