日本とタイの警察署の違い
1 警察署で調書を作成してくれる
事件は訴えることにより発生し、その日より時効が止まります。すなわち、タイではあることが
起きると、3ヶ月以内に事件として警察に届けないと刑事事件は時効になってしまいます。
日本では事件が起きても3ヶ月以内という期限はありません。警察に訴えを提出したとしても、
不受理の場合があります。
警察がその訴えについて、受理、不受理の判断する権限をもっています。
もちろん、タイでもその判断は、担当者に権限を委任されています。
2 公的文書は警察に通知することにより事実が確定します。
例えば、免許証を粉失した場合警察に届けを出し、その証明書を提出ない限り再発行して
くれません。
その他、身分証明書、土地の権利書、結婚証明書、住居登録書等。
日本ではこのような書類噴出の場合、警察に届けを出す必要はありません。
3 盗難に遭ったら被害届を出す。
日本人が、パスポートを粉失した場合必ず警察に届けるようにいわれます
この届を出すことにより正式に事件として扱ってくれます。
警察は、事件の内容にもよりますが、小さな事件は調書を書いただけで一向に動いてくれない
場合があります。
それは、そうです。
動く、動かないは担当者の判断に任されています。
また、時には熱心に動いてくれる場合もあります。
日本は小さな事でも動いてくれます。
動かないと、そのことで非難を受ける虞が出てくるからでしょう。
例えばストーカー事件のように民事事件にもかかわらず警察は本人の事情を聞いてくれる
ようになりました。
かっては民事介入の原則で全く事件に関与しませんでした。
4 交通事故の処理をしてくれる
交通事故が起きた場合、その車は警察署に預けさせられます。
そして、一件落着すると車の引き取りが可能になります。
事故は、双方の主張を聞いて判断してくれます。
この場合一般的には保険のかけてあるドライバーが負けて、保険のかけてない
ドライバーが勝つ場合が多いです。
その場合、保険会社の人は、不満であっても文句はいいません。
通常保険会社は警察の判断が不満でも従うマニュアルニなっています。
万一、警察の判断に不満の場合は、民事裁判を起こさなければなりません。
よって、よっぽどでない限り、警察の判断で納得し事件調書にサインをしておしまいです。
5 苦情届
家庭内の事は、事件として受け付けてくれません。
しかし、近隣騒音の苦情は受け付けてくれます。
人に迷惑をかける行為は、訴えの対象になります。
訴えられた人は、当事者になり警察に関係することになりますので
このことを嫌います。
よって警察からの呼び出しを受けないように解決に向け努力
することになります。
一方日本はどんなに近隣騒音があっても、警察は取り合扱って
くれません。
なぜなら民事不介入という原則があるからです。
その点、タイの場合はささいなことでも取り扱ってくれます。
そういう意味では、警察は大変感謝されています。
6 罰金の支払い
交通違反で切符を切られた人が、罰金を支払に来ます。
罰金を支払うと、免許証を返してくれます。
最近、写真撮影により交通違反と断定され、郵送にてその証拠と共に
罰金支払い命令が届くことがあります。
7 法律相談
警察署の業務内容に、法律相談があります。
その内容にもよりますが、さわりだけ聞くだけで、感謝される、
というものです。
8 外国人登録
日本では、入管の事務所へ行かなければなりません。
タイでは、最寄りの警察署で登録してくれます。
便利です。
9 日本とタイの警察の歴史的違い
日本の警察は、明治の初めに始まります。
明治政府ができて政治を進める中、政府に従わない勢力の監視及び
治安を目的として取り締まりが行われてきました。
一方タイは王政の中にあって、警察は治安目的としながらも、民政安定、
安寧を目的としてきました。
さらには軍隊との存在の中、絶えず警察は国民に愛されることを
目標としてきました。
この結果、国民、市民の困り事は極力取り上げて解決してあげようよう
という政策になってきました。
タイの警察署は、国民、市民の利用で、繁盛しています。
困った時の駆け込み寺になっています。
一方日本はどうでしょうか。
警察署は、よっぽどでない限り行かないでしょう。
この違いを理解すると、日本でも警察のあり方を考え直すべきではないでしょう
(注) 警察署の本来の任務は、日本と同じです。