講義テキスト「民商法」 

1 民商法とはどんな法律か
(1)民商法は民法と商法が一つの法律となっているもので、   日本では別々の法律として存在している。
このことについての説明は、別途行うことにする。
民商法(タイ人にとっての法律より)を添付書類1に付けた。
(2)民商法とは、公法である刑法に対峙する法律のこと。

民間と民間の約束事が民法であるのに対して、刑法は国が国民に権利を制限、強制することである。
「法律の分類による法律制定の目的」を添付書類2に付けた。

(3) 商法は民法に対する特別法で、個人と個人の場合は用いない。
また、商法はどちらか一方または双方が法人の場合用いる。
しかし、タイは一つの法律なので区別の必要はない。

2 民法と商法以外の法律とその関係
憲法は、国の最高の法律として位置付けており、その下に4つの法律が存在する。
すなわち、刑法、民商法、民事訴訟法、刑事訴訟法を4つである。
なお日本では、民商法が民法、商法に分かれており、プラス憲法を加え「六法」と呼んでいる。
そしてこれらの6本の法律をいわゆる「六法全書」と呼んでいる。
「タイ人はどのように法律を学んでいるか」添付書類3に付けた。

3 民商法の神髄
民商法の中で、一番重要なことは契約についてである。
この内容が民商法のエキスであり、民商法を学ぶ事は契約について学ぶことである。
なお契約は、既に述べたとおり個人と個人との約束事である。
しかし、家庭内では存在しない、また必要としていない。
つまり、社会生活に於いてトラブルが発生しないよまたは発生した場合具体的に約束事を書いたものが民商法である。
ここで、契約についての詳しいウェブサイトを以下の通り紹介する。http://www5f.biglobe.ne.jp/~r_osanai-jimusho/k/01.html

4 ここで民商法について歴史的視点から学んでみょう。


(1) 世界の歴史から法律を見てみょう。
ヨーロッパの中世紀期において、国王と人民においては民商法は存在しなかった。なぜなら、専制政治だから。

専制政治に於いては契約の概念が存在しなかった。
しかし、刑法及び裁判所は存在し国王が直接統治して、存在していた。
近世に入り商人が発生してくると、商人同士のトラブルが発生するようになり、民商方が必要になってきたのである。
(2)日本では明治時代に入り、その前から商人が存在していたので西洋からの法律の導入の際、民法と商法が別々に導入されることになった。
一方、タイは絶対王政のため商人が存在せず、全ては国王の役人が国民に対して直接税の徴収を行っており、その代理人や商人の存在がなかった。
よって、商法の必要性がなかったため,商法を作成制定するに至らなかった。

タイでは1,908年に「刑法典」、「裁判所組織法」、「民事訴訟法」が公布され、1935年に民商法典の全編が公布、施行されている。
つまり、30年かけてようやく完成した法律なので王立なのである。

5 民商法について構成と内容についての説明。
(1) 民商法の構成
民商法は、総則、債権、契約各論、財産(物件)相続の6編から成っている。
基本的には、パンティクテンー方式と呼ばれ、前に「総則」として一般的抽象的規定を定めている。
なお、日本の民法では、総則、物権、債権の順に書かれている。
(2)民商法の基本的精神
民商法第5条「人の権利の行使においても債務の返済においても人はすべて誠意を持って行為を成さなければならない」
第6条「人はすべて誠実を持って行為をなすものと仮定する」

また、日本の民法第1条2に「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」(信義則)と書かれている。
「タイの民商法と日本の民法に相違点について」添付書類4を参照。
「民商法典(抜粋表示)-タイと日本」について添付書類5を参照
(3)民商法の総則にはどんな項目があるか
○ 人を自然人と法人とに分けて説明している
〇 人の能力
○ 動産と不動産の定義付け
〇 法律行為及び契約行為など(詳細は別途あり)

(4)民商法から派生してできた法律
元の法律を一般法と呼び派生してできた法律を特別法と呼び、特別法を優先して採用、援用、施行することが強制されている。
具体的には、会社法、会計法、労働法等あり。
(注;会社法は非公開株式会社法と公開株式会社法と別れているが、日本では別れていない)
(5)民商法の神髄(本質)
民商法で一番重要なことは契約についての内容で、この項目をしっかり学ぶことである。
具体的には、契約とは、契約の開始、契約の実行、契約の終了、契約違反(不履行)などが重要。

添付資料
1 民商法(タイ人にとっての法律より)
 http://www.seikatsujoho.asia/houritsu/houriron/minshouhou.html

2 「法律の分類による法律制定の目的」
 http://www.seikatsujoho.asia/houritsu/houriron/houritsu.html

3「タイ人はどのように法律を学んでいるか」
 http://www.seikatsujoho. asia/houritsu/houriron/taijin.html

4 「タイの民商法と日本の民法の相違点について」
  http://www.sei katsujoho.asia/houritsu/hougen/minpo.html

5 「民商法典(抜粋表示)-タイと日本」について
  http://www.seikatsujoho.asia/houritsu/hougen/minshohou.html

(注:素人が素人のために作ったテキストです。今後改訂版を出します)

民商法 あらずじ