会社経営とタイの文化
タイ従業員に対する責任感教育
タイで会社経営(工場経営)をする場合、日本のシステム習慣をそのまま導入しても上手くいきません。
今回、会社経営する上でどうしても知っておきたい、おくべきタイの文化について述べ、タイ人従業員に対する責任感教育について、
考えを述べてみたいと思います。
これによって、会社経営に少しでもお役に立てば望外の喜びです。
1 最初に、タイ人にとって仕事をするとはどういうことでしょうか。
彼らにとって仕事とは、「仕事を行うこと、パーテイー、宗教行事、または、あることを行うこと」が入り混じった内容、
と理解をしています。
会社の仕事は利益を出すことである、と教えなければなりません。
つまり、「会社は利益追求団体」と教育しなければなりません。
(2)「会社」と言う意味について
仕事をしてお金をもらえる所、その仕事も自己評価します。
例えば、80パーセントぐらいですと、それ以上はあえて望みません。
例えば、QCで不良品を3パーセント、2パーセントに下げる事は大変難しいことです。
3パーセントは100のうち3つですから「マイペンライ」となってしまいます。
タイ人にとって、会社は利益追求団体と言うより役所的なコミュニティー(共同体)と思っています。
一日のうち朝から夕方まで仕事をしてお金をもらえる所、しかもその仕事も従来通りのことを行なえば、それで満足。
決してガツガツ働こうとはしない。
仕事の改良、改善を嫌うし、それについて考えさせることは難しいことです。
(なぜなら現状に満足しているため)
彼らが最も大切にすることは、利益追求ではなく安寧、平静なのです。
そのためには、秩序を一番重視します。
よって会社に於いてピラミッド型の人間関係ができており、それをうち破る事はタブーです。
どの会社でもドンおりそ、その人に逆らうことはしません。
会社では、現場のドンと話をつければそれで済みます。
日本のような団体交渉、集団交渉のような制度は不要なのです。
3 責任の意味について
(イ) 工場内では、従業員に責任感を持たせ、生産性を上げることが重要です。
そのためには、責任感教育が必要煮なります。
ところで責任感とは、タイ語で「ラップ ピッツチョープ ナイ ナーテイ」義務における責任、つまり義務を果たすこと、が同じ意味になります。
(ロ) 工場の責任体制
○ ワーカーの責任
○ ホアナー(職長)の責任
○ ホアナーパネック(現場責任者)の責任
○ 経営者(社長)の責任
(4)やる気を起こさせる
義務を果させるため、または責任を果たさせるためには、やる気を起こさなければなりません。
「責任感教育イコールやる気を起こさせる教育」ト規定して良いのではないでしょうか。
具体的に、やる気を起こさせる方法として次のことがあります。
○ 社員研修をする
○ 経営者が現場に足を運び、たえず現場に関心を持つ
○ ミーティングを週1、月1でも良いから行う
○ 目標の設定
○ 半年、または1年の催し、または旅行
(5)責任感教育の問題点
ホアナーの教育が一番大切ですが、ホアナーパネックは自分のノウハウを簡単に教えません
(自分のポジション保持のため)
また、責任感教育で大切な事は、義務や責任の内容を具体的に説明することなのですが、
これがなかなか難しいです。
余禄 その1タイ人を理解するキーワード
○ 根性
○ がんばる(努力する)
○ 面子(恥をかく)
○ やる気
○ 仕事のやりがい=満足感
余禄その2
地方別性格と同じ出身者のまとまり
2015.1,27