テーマ: タイ式経営法
ランサン先生による受講出席レポート
1. 日 時 平成23年12月22日(月) 11時〜12時
2. 受講場所 ○○株式会社
3. テーマ タイ式経営法
4. 講 師 ランサン ラートナイサット経営学部長、泰日工業大学
5. 内容 以下のとおり
1) タイ人の性格や価値観
自由主義(個人主義)
とにかくタイ人は淡々と自由気ままに仕事をすることを強く望む。それ故発言することや、書類として文字を残すことで発生する“責任を持つ”ことを嫌がる。
又、個人を大事にするので、会社全体のために働くということは一切ない。
感情で動く
タイの職場で、社員同士の仲が悪いと仕事がうまくいかなくなることがあるのは、ケンカをした相手には協力をしなくなるから。
さらに、ある時は役職の権力で命令をすることはできず、信望で協力を得られる場合がある。
年輩意識が強い
年配のタイ人は年下の部下で働くことを嫌がる。
やはりタイの文化が年上の人に敬意を示すように教えるので、それなりに年を重ねるとプライドが高くなってしまう。
その他
― 時間に対してルーズである。例えば、「仕事を“約”八時から始める」と言うことがあるところ。
― 自身の間違いをあまり認めない。他人や、自身を取り巻く環境のせいにしまいがちであるところ。
2) 問題指摘
タイの教育制度は、学生自ら学ぶ、つまり”Self Learning”をする環境になってないことから、新しいことを自ら勉強する習慣がない
日本では4月から一斉に新入社員の研修を始め、ある程度基礎が同じようにできている一方、タイでは仕事を頻繁に変え、
仕事を始める時期も異なるので、社員を同じように使うのは難しい
3) タイ人部下を指揮する際の上司へのアドバイス
日々のコミュニケーションを増やし信望をつくる
例えば、高額なご馳走を一回するより、質素なご馳走を何回も繰り返すことで、日々の触れ合いから恩を作るなど、信望を築き上げるよう進めていた。
感情で動くタイ人ならなお更、尊敬されれば仕事関係でも協力を得られやすくなるところがあるとのこと。
具体的に指示をする
指示されたとおりに仕事をこなすことで安心し、それ以外のことをしたがらないのもタイ人のスタイル。
さらに、ルーズなので、具体的な仕事方法と期限を伝え、指示するやり方を進めていた。
叱る時は個別でする
特に年輩の社員には気を使い、プライドを傷付けない為に必ず個別に影で叱ってあげる事です。
4) その他先生からの提案
反省は個人ではなくグループで行い、アンケートをとる場合も具体的に質問をすること。
そもそもタイ人は、自分の悪いところを掘り出す様で、反省をすることを嫌がる。
しかし、グループで反省することで、自分だけが悪いのではなく、みんなで意見を出しその重みを分配する気持ちにさせることができる。
ホウレンソウ文化を根付けるために、マニュアル等で決まりを作ること。
あるケースが起きたら何時間までに報告し、どのレベルの事だったら誰に報告するべきか、いろんな状況を想定し、
示しておくことが重要だということ。
5 . 所感
このようにタイ人の特徴を述べると、根本的に理解さえすれば、タイ人と共に仕事をすることが簡単そうで難しいように感じました。
特に感情で動くという点では、とてもコントロールしづらい部分ですので、最も重要だと思います。
それと同時に、一応の解決策として信望を築くことが最善策ではあるものの、お金をかけて築き上げること以外に方法はないのかという疑問を抱きました。
6 . 添付資料 一式
ランサン先生の略歴
京都大学経済学研究科、市場・会計分析分野で博士号を取得。
マーケティングのプロフェッショナルとして、国内外の大手企業でディレクターを歴任。
ポーラやロッテなど、数多くの日系タイ法人にも勤務経験あり。
現在はフリーランスのコンサルタント、および泰日工業大学・経営学部長として活躍中。
企業のコンサルティング、社員教育をはじめ、ビジネス書のタイ語翻訳なども行っている。