ASEAN CPAについて
Mutual Recognition Arrangements(相互承認協定)により、アセアン諸国の間で、8つの職業の労働者が他国で就業できるようになりました。
これは、ASEAN経済共同体の元、労働移動を自由にさせることの延長にあります。
その中に会計職も含まれ、MRA – ASEAN Recognition Arrangement on Accountancy Service (会計業に関する相互承認協定)が定めた基準を満たした会計士が、ASEAN CPA(ACPA)と認証され、他国(ホスト国)での会計に関するすべての業務を行えるようになります。
(ただし、監査報告書にサインをすることと、公認会計士だけに
限定された業務は含まない。)
ACPA資格の取得基準は、アセアン諸国が合同で管理するACPACC(ASEAN Charered Professional Accountant Coordinating
Committee)が既に規定しており、各国のNAB(Nation Accountancy Body―会計協会)が自国の会計士の管理を行います。
今後は、同団体がアセアンの会計基準を話し合って決めることになり、 現在模索中といったところです。
ASEAN CPAのメリット
会計は、会社運営の基盤とも言えます。
アセアン諸国の会計基準が同じになれば、その基盤整備が行われることとなり、企業側にとっては地域全体の管理が簡素化されます。
また、会計士にとっては、ACPACCが管理する、ACPA資格保持者の名簿リストに自身の名前が載ると、外国人雇用主からの声がかかりやすくなり、幅広い雇用につながります。
同時に、海外での就業経験がより本人の能力を高めることになります。
ACPA取得者がアセアン他国で働くまで
ACPAになるには
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ACPAの条件を満たすこと
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申請書の提出
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審査
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ACPACCに推薦される
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ACPAとして登録される
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ホスト国でRFPAとして登録される。
ACPAの資格
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会計協会のメンバー
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卒業後、5年以内に少なくとも3年連続した会計業務経験が
あること
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会計協会が設けたテストの合格者、または、公認会計士で
あること
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会計協会が規定するCPDを積んでいること
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会計士の倫理に反していないこと
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倫理に関する罰を受けたことがないこと
ACPAのテスト
CPAの資格を取得していない人において、下記の4科目のテストを合格することで、ACPAを取得できます。
(各科目、選択問題60点、説明問題40点、合格基準60点。)
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財務報告について
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統治、リスク、倫理について
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ビジネス、税金についての法律
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管理会計と財務管理
1年に2回(6月、11月)にテストが行われ、合格した科目は、4年保持できます。