タイ出向者の人件費。日本法人とタイ法人での負担関係

【はじめに】

今回は最近ご相談いただいた内容のうち、タイ出向者の人件費の処理についてご説明します。

【よるあるご質問】

タイ出向者が数名いるが、彼らの人件費の全額をタイ法人負担にさせたいが宜しいでしょうか?

【答え:出向者の人件費の負担関係の基本的な考え方】

海外勤務者はタイ法人に勤務しタイ法人の事業に100%従事しているならば、タイ法人で人件費全額を負担するのが基本的な考えです。

これは法人税法上も企業会計上も違いはありません。

仮に日本法人から給料を支給したとしても、タイ法人へ給与相当額を請求してタイ法人に負担を求めることが通常です。

【注意点:両国ともに法人税の損金算入否認リスクがある】

なお、日本の法人税法では寄付金に対する課税の制度があり、タイ法人で負担すべきと判断された人件費を理由なく日本法人が負担している場合は、タイ法人へ

経済的な利益の供与がされていると認定され課税されてしまう可能性があります(法人税法第37条第7項)。

また、タイ法人に人件費全額を負担させておきながら、実は海外駐在員が日本法人の事業の業務もおこなっている場合は、全くマネージメントフィーをもらっていない場合、タイ当局から損金算入を否認されるリスクがあります

人件費の負担については、両国で問題となりかねない事項であることから、海外勤務者の勤務実態に応じて負担割合を決める必要があります。

【具体的な事案についてはご相談を】

タイ出向者の人件費の処理については細かい論点等もありますので、税理士や公認会計士にお問い合わせいただくことをお薦めします。

また、進出国の税務もありますので、日本と進出国の会計・税務両方を確認する必要があります。

(参考文献)

海外勤務者の税務と社会保険・給与Q&A 藤井恵著

シンガポール進出企業の実務ガイド SCSGlobal編著

(出典:http://toma.typepad.jp/toma-singapore/2015/02/index.html


私のコメント:出向者については、出す側、受ける側の契約書を作る必要があります。

この中に、身分、待遇、業務内容などを書いておけば、トラブルは生じないでしょう。