日本での「がん」の傾向

 

日本、タイでの「がん」の傾向 第2回 東京医科歯科大学・バンコク病院共催「家族の健康セミナーおよび相談会」

2015年8月10日(月) 13時05分(タイ時間)


ワタノソットがん病院 院長 ティラウッド・クハプレマー医師

東京医科歯科大学客員教授 ワタノソットがん病院院長

Thiravud Khuhaprema, M.D., FRCST., FICS., Visiting Professor

Hospital Director, Wattanasoth Hospital

日本での「がん」の傾向

 日本で2012年にがんで亡くなった人は36万963人で、総死亡数のおよそ3割を占めた。

がんは1981年以降、脳卒中を抜いて死因のトップとなり、がん患者数は増加している。

日本人の2人に1人は一生のうちにがんを罹患し、男性では4人に1人、女性では6人に1人ががんで死亡するというデータが発表されている。

 日本の主要5大がんは、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、前立腺がんである。

厚生労働省大臣官房統計情報部による2013年の人口動態統計では、死亡数が最も多いがんは、男性は肺がん、女性は大腸がんであった。

2011年の統計では、男性が胃がん、女性が乳がんだった。

タイにおける「がん」の傾向

 タイでがんで亡くなる人は毎年5%の割合で増え、1999年に交通事故を抜いてその後トップを維持。

2011年は10万人中95.2人で、交通事故の同52.8人のほぼ倍の年間7万人超となっている。

男性では肝がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、ホジキンリンパ腫など、女性は乳がん、子宮頸がん、肝がん、肺がん、大腸がんなどが多い。

 男女を合わせたタイの主要5大がんは肝がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんである。

タイの東北地方では胆管がんが多く見られ、淡水魚の生食習慣が感染源とされている。

WHOによる「がん予防」

 世界保健機関(WHO)は、がんを3分の1ずつ分けて啓蒙している。

◇ 3分の1のがんは「予防ができる」。

◇ 3分の1のがんは「早期発見ができる」。

◇ 3分の1のがんは「悪化予防(緩和ケア)ができる」。

 がんは心がけによって、予防も早期発見も悪化予防も可能である。

また、「早期がん」と「進行がん」では、治療費にかなりの差があり、なるべく早い段階での発見が求められる。

日本の治療費の一例を挙げると、

食道がん:早期がん→内視鏡検査で6万8000円 進行がん→手術で73万5000円

胃がん:早期がん→内視鏡検査で4万9700円 進行がん→手術で42万6000円

直腸がん:早期がん→内視鏡検査で6万7400円 進行がん→手術で44万2000円

がんの早期発見

 がんは、1個の細胞の中にある3万個の遺伝子が突然変異することであり、10億個もの細胞が浸潤されても初期の段階では自覚症状はない。

健康な人は、「健康診断」やがんが発生しているか否かを調べる「がん検診」を、自覚症状のある人は医療機関での「早期診断」が必要である。

「健診」や「検診」はあくまで無症状の人を対象にしている。

 がん検診は、自治体や職場などが実施する「対策型(組織型)検診」と、人間ドックなど個人として医療機関で受ける「任意型検診」がある。

任意型検診の精度は高くて安心でき、現在では多くの治療法も確立されているため、死亡リスクが確実に減少する。

日本では、科学的根拠があるがん検診というのは、胃がん、子宮がん、肺がん、乳がん、大腸がんなどで、対象者は子宮がんは20歳以上、

それ以外のがんは40歳以上が対象となる。

 個人レベルにおいて、必要に応じた検診は必要である。

例えば大腸がんなどは、対策型検診として便潜血検査が強く推奨されるが、大腸内視鏡検査は集団対象としては、検査費用の問題などで

薦められないとし、任意型検診として扱われるケースが多い。

このように、同じがんでも検査方法によって対策型か任意型かに分かれる。

 また、任意型検診とされる前立腺がんは、血液(PSA)検査が早期発見に有効とされ、ラテントがん(死因にはならないがん)を発見する確率も

高くなるが、最近は過剰診断が問題視されている。

前立腺がんは加齢と共に増えてくるが、進行がゆっくりで寿命に影響しないことが多いがんとして知られる。

検診から治療まで設備の整った医療機関選び

 日本対がん協会が制定する、「がんの危険信号8か条」というものがある。

1.胃がん=胃の具合が悪い、食欲がない、食べ物の好みに変化はないか。

2.子宮がん=おりものや、不正出血はないか。

3.乳がん=乳房の中にしこりはないか。

4.食道がん=飲み込むときに、つかえることはないか。

5.大腸がん、直腸がん=便に血や粘液がまじったりしないか。

6.肺がん、喉頭がん=咳が続く、痰に血が混じる、声がかすれたりしないか。

7.舌がん、皮膚がん=治りにくい潰瘍はないか。

8.腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん=尿の出が悪い、尿に血が混じっていないか。

 このような自覚症状があれば、ただちに診断を受けることをお勧めする。

 がんの予防や早期発見の各種検診や診断、治療、その後のフォローには、高い医療レベルが求められ、医療機関の選択が重要である。

タイではバンコク病院「ワタノソットがん病院」が、日本人の方にも安心して治療を受けていただける世界最先端の設備を備えている。

出所:《newsclip》

http://www.newsclip.be/article/2015/08/10/26518.html

コメント:「がんの危険信号8か条」が、大変役にたちました。(2015.08.11)

     なお、がんの原因が、「遺伝子が突然変異することであり」と述べており、私の「ウイルス説」と異なっています。

      主な病気一覧表

ガンについての無知な知識その1-3

ガンの病気とその予防、治療方法