医薬品ネット販売

 今日は、後藤玄利さんの「医薬品ネット販売に関する法

案成立にあたって」の紹介です。この件は、大変関心が

ありますので、以下、掲載します。


後藤玄利

        2013年12月06日 14:14

医薬品ネット販売に関する法案成立にあたって

昨日(12月5日)、参議院本会議で薬事法の改正法案が

可決・成立しました。この法案に含まれる医薬品ネッ

ト販売に関する法律も成立しましたので、来年6月まで

にはこの法律が施行されることになります。

この法律に関しては、評価できる点が二つ、および大きな

問題点が二つあります。

評価できる点1)一般用医薬品のネット販売解禁

まず評価されるのは一般用医薬品のネット販売が法律で

明確に解禁されることです。

スイッチ直後等の28品目の医薬品は要指導医薬品という

新設カテゴリーに移行されます。

それ以外の第一類、第二類、第三類の一般用医薬品は薬事

法上もネット販売が認められます。

そもそもネット販売を禁止していたことが全く不合理ですし、

最高裁判決や安倍首相の方針に照らすと当然のことですが、

薬事法上も一般用医薬品のネット販売を解禁したことは大きな

前進です。

評価できる点2)秩序が失われた状態の解消

今年1月の最高裁判決では原告となったケンコーコムとウェル

ネットが一般用医薬品のネット販売を行う地位を認められました。

その他の薬局・薬店は第一類、第二類をネット販売する

地位を認められたわけではありませんが、ケンコーコムが

大丈夫ならば自分たちも大丈夫だろうということで、ネット

販売を行いました。

ところが法令がネット販売を行う前提になっていなかった

ので、ネット販売を行う際の最低限のルールに関して、

薬局・薬店、行政、消費者らの間で共通認識はありません

でした。

医薬品のネット販売は薬剤師など専門家がいる薬局・薬店に

より行われていましたが、例えば薬剤師が薬局にどのくらい

常駐するかは薬局によりまちまちで、場合によっては一日に

30分薬局に常駐するだけなのにネット販売を行う薬局も

あったかもしれないのです。

今回の薬事法にはそこまで詳しいルールは書かれていま

せんが、今後省令などによって、一般用医薬品ネット販売に

おける最低限のルールが示され、より秩序ある一般用医薬品の

ネット販売が行われるようになります。

問題点1)合理的理由なくネットが対面に劣ると認めたこと

 今回の薬事法改正における最大の問題は立法府が合理的理由

なくネットが対面に劣ると認めたことです。28品目の取扱を

議論する専門家による検討会において、ネット販売の

是非を検討できる専門家がいなかったため、ネット販売の

是非が科学的に議論されることは全くなく、報告書におい

てもネット販売の問題点は何ら具体的に指摘されませんでした。

それにも関わらず、「28品目の医薬品に関しては、薬剤師が

五感を使う必要がある」という非公式な座長コメントを盾に、

28品目の要指導医薬品に関してはネット販売を禁止しました。

たかが28品目というかもしれませんが、科学的・合理的な

理由に基づかずにネット販売が対面販売に劣ると立法府が

認めたことは、今後のIT技術やインターネットを使った

サービスを国内で展開する際に、大きな禍根を残します。

ネットやITを活用したサービスが現れ、普及するたびに、

既得権益を持つ事業者がロビー活動を行うことで、合理的な

理由に基づかずに新しいサービスを禁止することが可能に

なるからです。既得権益者が魔法の杖を手に入れたのです。

問題点2)ネット調剤を問答無用で禁止したこと

 今回の薬事法改正では28品目の要指導医薬品だけでなく、

処方箋薬のネット調剤も禁止されました。

処方箋薬は医師の診断による処方箋に基づき、薬局で調剤

されます。

消費者により選択される一般用医薬品のネット販売が認め

られて、医師により処方される処方箋薬のネット調剤が認め

られないというのは、全く合理性がありません。

詳しくは、こちらをご覧ください。 厚生労働省が演じる

ミスディレクション魔法の杖を消滅させるために

既得権益を持つ人たちが政治家に働きかけて、徹底的に

新しいサービスを禁止するようなことがまかり通るような

国には未来がありません。

しかも、今回は新しいサービスを禁止するための魔法の

杖を既得権益者たちが手に入れてしまいました。

魔法の杖を渡してしまったことについて、不自由を強いら

れる消費者だけでなく、他の分野でイノベーションに取り

組む人たち、特に若い世代にも本当に申し訳ないことを

したと思っています。

今回の薬事法改正成立で全てが終わったわけではありません。

立法府が過ちを犯したので、改めて司法に問いかけねばなり
ません。

またも長く、厳しい闘いになりますが、不条理を解消するよう、

徹底的に戦い抜きます。

後藤玄利さんの紹介

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E8%97%A4%E7%8E%84%E5%88%A9