洗濯についての考察(計4回) 
  2015.1,23        
はじめに


  タイに赴任してきた駐在員のために洗濯について書くことにしました。
  
  

(第1節:洗濯について日本人とタイ人の、風習、習慣の違い)


  (第2節:洗濯にかかわるハード(物)についてコメント)


  (第3節:洗濯にまつわるソフト(理論と方法)についてコメント)


  (第4節: 小林 豊のアドバイス)

第1節


 まず洗濯について日本人とタイ人の、風習、習慣の違いについて提起してみましょう。


1、 洗剤は多く入れれば入れるほど汚れがおちる、という迷信?について。


2、 洗濯時間は長ければ長いほど汚れがおちる、という迷信?について。


3、 白物と色物を分けずに共に洗うという習慣。


4、 ズボンとワイシャツを同時に洗濯するという習慣。


5、 干す時は日陰ではなく日向に置くという習慣。


6、 アイロンをかける際、あて布を使わず、直接押し付けるという習慣。


7、 綿とテトロンなどの生地についての知識が不足しているので、アイロンの熱の強さがわか   らないという状況。

 


   以上の問題提起について、以下のとおりコメントしてみましょう。

1、 洗剤はどの程度が適量か?と問われても答えるのが難しいです。一番良いのはメーカーが   ガイドラインを出すことでしょう。


   しかし、メーカーはメーカーで生地の汚れ具合、水の温度によって、異なるので提示できな   い、なんて回答しそうです。


   全く、いいかげんに云うなら、日本の場合、洗濯機の中に入れた衣類に対し、1杯のサジで   は不足、2杯で妥当、3杯で多すぎる、ということなのでしょうか?


   一方、タイではこのサジは使われていません。このサジ加減ができないので、その人のカン   で入れています。

   そうするとついつい多く入れるようになり、その結果、消費が増え、それ故メーカーの売り    上げが伸びるという現状になっています。


   まあ、タイの洗剤は日本に比べ泡立ちが良いため入れすぎたかどうかは、それをバロメー   ターとしているようですが・・・。


   (注:手洗い用と洗濯機用と2種類あり)


   温度との関係で云うなら、タイでは水温は25〜30度程度ですので、洗剤の量は少なくても   汚れは落ちやすいでしょう。

2、 洗濯時間の長さ(主に洗濯機の場合にて)


   洗濯時間についても、いろいろな要因がかかわっているため一概に云えない、というのが   結論でしょうか?


    すなわち、


  ア、 洗濯物の生地による。


  イ、 洗濯物の汚れの程度。


ウ、 洗濯方法(回転方式なのかドラム方式 なのか、そしてその速度)


  エ、 もちろん水温にもよる


    実際、オートマチックの洗濯機では、洗濯物と洗剤をいれて「オート」のボタンを押すこと  になり全自動なので40分程度で終了となり、大変便利です。

  つまり、あれこれと考える必要がないのです。

3、  白物と色物を分けず洗濯するという習慣は歴史的にさかのぼってみる必要があります。


    昔々は色物がほとんどで、白物は特別な生地だったのではないでしょうか?


    その証拠として、タイの田舎に行くと、白物の衣服は珍しいです。多分、汚れやすいから。    又は水がきれいでないので白物を数回洗うと、黒ずんでしまうのではないでしょうか。

    だからと云って漂白剤を使うまでに至っていません。洗濯は洗濯物カゴに入れたものをそ    のまま、洗濯器(たらい)に入れ、洗ってきたのでしょう。

    もし、別々にすると、たらいがもう一つ必要、時間も必要になり、面倒なので共に行うこと    になります。この方が効率が良いと考えます。


    タイでは白色の衣服は高級と思ったほうが良いです。役人の正式な制服は白色、大学生    の制服(上衣)は同じく白色です。

4、  ズボンとワイシャツを同時に洗濯するという習慣について


    つまり生地に関係なく共に洗濯してしまうということです。


    ブラジャーや靴下も共にズボンと共に洗濯しています。今でこそネット袋が利用されてい    ますが、田舎ではまだまだ普及していません。


    ズボンのような厚地の生地と靴下のような薄地の生地では、共に洗濯するとたまらないで    す。


    タイの田舎で洗濯機の普及が進んできていますので、手で洗濯という方法は少なくなって    きています。この洗濯は、食事の準備と共に行う人にとっては大きな仕事となっています。

   時間の節約の為ついつい、無意識に同時に洗濯してきたのです。まあ、これは習慣から来   た現実なのです。

5、  洗濯物を干す段階になりますが、干す場所が日向か、日陰か。


    日本では日向に干しませんよ。色が落ちてしますので。しかし、タイでは日向に干します。

   ただし、衣類を裏側にして直接表側が日光に当たらないように工夫しています。なぜなので   しょうか?と理解に苦しみました。


    理由は次の2つのようです。1つは日陰に干すと、においが残る。もう1つは殺菌が不十   分なため。


    衣服の色落ちについては、タイの衣服はカラフルなので、多少の色落ちなんて「マ イ ペ   ンライ」なのでしょうか。


    色落ちしたらその時は買い換えすれば良い、と思っているのでしょうか。

6、  アイロンをかける際のあて布について


    なぜあて布をしないか。これも歴史的にさかのぼって習慣から由来すると思えば理解でき    るでしょう。


    電気アイロンがなかった時、鉄製のアイロンに、炭を入れ炭の熱で服に線を付けたので   す。

   その時、布をおくと、熱が服に届かず、そのため直接アイロンを布に押し付けたのが始まり   のようです。


    現在に至っては布を使うと、それだけ作業効率が悪いので使用しないのです。

    生地がいたむ、テカテカ光る、というのは自分に関係ないことなのです。


    第一、あて布を置くと、その布をアイロンすることになり、その下にある服に少ししか影響    を与えない、と思うのですから、正直な考えです。

7、  綿とテトロンなどの生地の知識について


    このことの知識は、誰がどこで教えているのでしょうか。人間教えられていないなら、どん    な人でも無知です。

    生地によって、アイロンの熱強度が異なる、ということを教えないで、アイロンしてしまうも    のですから、時に衣服をダメにしてしまいます。


    このような時、衣服をダメにした人に対して怒ることができるでしょうか?


    過失責任があるでしょうか?いや、無過失になるでしょう。


    メイドによってよって、大切な衣服がダメにされたという話はよく耳にします。

   まあ、それはもう授業料と思って諦めるしかないようです。


    メイドに限らず、クリーニング屋に出して衣服をダメにされても、クリーニング料の10倍し   か補償されませんので、逆に自己責任になります


    なお、タイの衣服に生地の成分表示義務(?)がありませんので、これらの区分、見分け    に慣れていない、というのが現状でしょう。

    それでは以上の問題について対策はいかにすべきでしょうか?自分なりに考えてみまし     た。


       1.  洗濯はプロの人に依頼すること。


          素人に依頼すると必ず問題が生じます。


          メイドなら、経験豊富な人。未経験のメイドならゼロから教えなければなりませ           ん。


          市内にあるクリーニング屋(洗濯屋)に出す時も、自己責任で出すこと。


          人によっては自ら洗濯機で洗う人もいます。


          こだわりの人です。


          自分で行うと、その分時間がとられてしまいます。


       2.  人に依頼する以上、白物、色物の区別をせず、なんでも一括して洗う、こうされ         ても仕方ないと思うこと。


          よって、ここは考えて依頼するか、自分で行うか判断すること。特に高価な衣服          ほど判断が重要です。


       3.  ワイシャツ、パンツ、靴下などは消耗品と思い、何ヶ月か使ったらもう寿命と思          うこと。

                                                (次号に続く)

洗濯についての随筆
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12377327170

洗濯についての考察、その2

http://www.seikatsujoho.asia/thaiseikatsu/sentaku2.html

洗濯についての考察、その3
http://www.seikatsujoho.asia/thaiseikatsu/sentaku3.html

洗濯についての考察、最終回
http://www.seikatsujoho.asia/thaiseikatsu/sentaku4.html

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